空き家バンクインタビュー(渡邊様)

PROFILE
検討期間:約半年間
購入時期:2022年8月

  • 渡邊さん 革職人兼業農家
  • 奥様 庭師
  • 猫 3匹
  • 移住前は神奈川県に住んでいた渡邊さんご夫妻。
    移住にまつわるお話はこちらから。

    空き家と一緒に山も畑も田んぼも自分のものに。
    憧れの自分らしい暮らし。

    家を探し始めたきっかけを教えてください。

    関東在住時代も、最後の住み家は生まれ育った福島でと考えていました。
    帰る気満々だったので常日頃からタイミングを伺っていたんですが、コロナ禍の影響で世間的にオンライン授業やリモートワークなどが増えたりとライフスタイルも変わってきたことがきっかけで、仕事の踏ん切りがつき、帰る覚悟を決めることができました。
    福島での住居を具体的に考えた時に、市内でも割と栄えているエリアにある実家に戻ることは、なんとなくしっくりこなかったんですよね。夫婦で話し合い、「せっかく帰るなら自然が多い所にしよう。」という話にまとまり、まずはインターネットで家探しを始めました。

    始めから空き家(中古物件)の購入を検討されていたのですか?

    どちらかというと、新築というよりは、中古物件で探していたかもしれません。
    中古物件を中心にいくつか検討はしたんですが、最終的には空き家バンクに登録されていたこの家が忘れられなかったんです。
    築140年の建物ですが、後ろに山、正面に田んぼ、隣には納屋と畑もついてくる物件なんですよ。中古物件ならではですよね。
    DIYにも興味があるので、時間を見つけて内装も外壁も自分の好きなように出来たら、と考えて購入に至りました。

    物件の決め手を教えてください。

    一番の決め手は、立地ですね。住んでからの生活が想像できたんです。
    庭師の妻は自分の山を持つことに憧れがありましたし、私も田んぼやぶどうの栽培に興味がありました。家を購入するだけで、欲しかったものが全部ついてくるってすごいですよね。
    おまけに、田んぼや畑までの往復時間って、個人的にはもったいない時間だと思っていたのですが、この物件は両方とも目と鼻の先なので、その点も含めてお気に入りです。
    あと、母家の一部も、革工房の事務所として教室やショールームなどで使えそうだと思ったんです。結構広いんですよ。納屋を工房専用にしても良いし、とにかく夢が広がる物件だなと思ったんです。

    リフォームの進み具合はいかがですか。

    実際のところは思うように進んでいなくて。
    でも近々本格的に始める予定です。基礎部分は近所の大工さんに依頼をしたので、それが終わり次第DIYを始められたらと考えています。間取りなんかの設計図はもう完成しているので、その通りに作っていければなと。土間だらけになる予定ですが、おしゃれな家にできるといいな(笑)
    外壁は日光の中善寺湖畔にあるイタリア大使館の雰囲気を出せたらと計画中です。杉の板が格子状に組まれていてかっこいいんですよ。木は山にあるので絶対実現させたいです!

    「空き家バンク」物件のリフォームの補助金制度は利用されましたか?

    自分の好きなタイミングで作りこんでいきたいので、利用しなかったです。
    長期計画にはなりますが、年内に水回りと寝室を完成させて、来年は2階と革のショールーム部分が出来れば理想的ですね。

    今はどちらに住まれているのですか?

    実は、母屋の隣の納屋で生活をしています。早いもので、もうすぐ1年になります。
    革の作業場所も確保できていますし、電気もガスも使えるので、意外と何とかなるものですね。水は井戸水を利用しています。
    お風呂は、移住者の特典「湯めぐりパスポート」を活用したり、近郊の銭湯にお世話になっています。
    夏の暑さは、納屋に黒いネットを張ることで大分軽減されました。風も入るので夜は意外と涼しく過ごすことが出来たんですよ。
    冬は、今年は暖冬だったのでラッキーでした(笑)一時しのぎにはなりますが、断熱材やビニールシートなどを駆使しつつ乗り切れそうです!

    実際に暮らしてみて、田舎暮らしで困ったことはありますか?

    正直、思い当たることって特別ないんですよね。
    強いて言えば、この辺は近所付き合いが必須なので、イベントごとには、最初から最後まで参加することくらいかな。
    生活は、田舎でも車さえあれば何とでもなりますよ(笑)
    車を少し走らせればスーパーやドラックストアもあるし、Amazonも翌日配送だったりと、意外と早く届くので、買い物も苦労はないです。
    むしろ、都会にいた頃のような高い家賃も掛からず、お店に飲みに行く機会も減って無駄使いも減り、会社勤めもなくなって人間関係も楽になり、結果的にストレスフリーになりました!
    かといって、月1回くらいの頻度で、仕事の打ち合わせで東京に行ったり、月1、2回は駅前で仲間たちと飲んだりと、メリハリのある生活を満喫しています。
    猫3匹も放し飼いにしていますが、モグラやネズミを捕ってきたりと本能のままに活き活きと、ここでの生活を楽しんでいるようです。

    家探しや引っ越しをする際の反省点などはありますか。

    今の物件は、2軒のセット物件だったんですが、悩んでいる間に1軒だけ売れてしまったので、そこが唯一の誤算だったかなと。でも、売れてしまったもう1軒は、小さな平屋ですぐに住める状態だったので、そこに住んでいたら母屋の改装も先延ばしになっていた可能性が高いので、これで良かったのかもしれません。
    あとは、引っ越し費用ですね。業者に見積もりを依頼したら150万円程と言われてびっくりしました。結局複数の友人に協力してもらい、出費は最小限に抑えることができたのでひと安心しました。
    事務所としての荷物が多いせいもありますが、夫婦で物持ちなので(笑)日々の荷物の整理は大事ですね!

    最後に、空き家(中古物件)の購入を検討している方へのメッセージをお願いします。

    自分のやりたいことや、ライフスタイルに合った物件を探してみると良いと思います!
    基本は田舎でのびのび、必要な時だけ街に出るというメリハリのある生活も悪くないです!空き家で気になる物件があれば、まずは早めの内見をおすすめします。